●税理士に対する不満ランキング 1位~5位

税理士に対する不満にはさまざまなものがありますが、特に中小企業の経営者や個人事業主からよく挙げられるものをランキング形式で紹介します。税理士は税務の専門家として重要な役割を担っていますが、依頼者の期待とのズレや、サービスの質に関する問題が発生することも少なくありません。以下に、税理士に対する不満ランキングTOP5を詳しく解説します。


第1位:料金が高い・不透明

《不満の詳細》
税理士の報酬は、相談や申告の内容によって異なりますが、明確な料金表を提示していない事務所が多いため、「あとから高額な請求が来た」というケースが発生しやすいです。また、顧問契約を結んでいるのに追加料金が発生することもあり、「結局どれくらい支払えばいいのかわかりにくい」という不満につながります。

《具体的な不満例》

  • 「毎月の顧問料を払っているのに、決算時に追加料金を請求された」
  • 「料金表がなく、見積もりを出してもらうまでいくらかかるかわからない」
  • 「税務調査の対応を頼んだら、予想以上に高額な追加費用を請求された」

《対策》
税理士と契約する際は、必ず料金表を確認し、追加料金が発生するケースについて事前に聞いておくことが大切です。また、定額制や成果報酬型の税理士事務所を選ぶのも一つの方法です。


第2位:対応が遅い・連絡が取りにくい

《不満の詳細》
税理士の中には、繁忙期(特に確定申告の時期決算期)になると、クライアントへの対応が後回しになるケースがあります。メールや電話をしても返信が遅い、もしくは全く返事がないといった問題に不満を感じる依頼者も多いです。

《具体的な不満例》

  • 「確定申告の締め切り間近なのに、税理士がなかなか対応してくれず焦った」
  • 「質問したのに、数日経っても返信がなく、結局自分で調べて対応した」
  • 「顧問契約を結んでいるのに、相談しにくい雰囲気がある」

《対策》

  • レスポンスの速さを重視する税理士を選ぶ(口コミや評判をチェック)
  • 契約時に対応のスピードを確認し、遅い場合は別の税理士を検討する

第3位:専門用語ばかりで説明がわかりにくい

《不満の詳細》
税理士は専門的な知識を持っている一方で、依頼者に対してわかりやすく説明するスキルが不足しているケースがあります。特に、税務や会計の知識があまりない個人事業主や経営者に対して、難しい言葉ばかりを使い、具体的なアドバイスをしない税理士に不満を抱く人が多いです。

《具体的な不満例》

  • 「専門用語ばかりで、何を言っているのか全然わからなかった」
  • 「もっとシンプルに説明してほしいのに、専門知識を前提に話をされる」
  • 「節税対策を聞いたのに、『この場合は○○条の適用があります』と言われても理解できない」

《対策》
税理士を選ぶ際は、初回相談での説明のわかりやすさをチェックすることが重要です。また、YouTubeやブログなどで一般向けの税務情報を発信している税理士は、比較的わかりやすく説明してくれる可能性が高いです。


第4位:積極的な提案がない(アドバイス不足)

《不満の詳細》
税理士は本来、節税や資金繰りのアドバイスも含めて経営のサポートをする立場ですが、最低限の業務(申告書の作成や記帳代行)しかしてくれない税理士に対して、不満を感じる経営者は多いです。

《具体的な不満例》

  • 「税務申告はしてくれるが、節税の提案をしてくれない」
  • 「経営のアドバイスを期待していたが、こちらから聞かないと何も言ってくれない」
  • 「顧問契約をしているのに、報告だけで相談しにくい雰囲気がある」

《対策》
契約前に、「節税対策や経営アドバイスを積極的に行ってくれるか」を確認することが重要です。また、税理士が定期的に最新の税制改正や補助金情報を提供してくれるかどうかもポイントになります。


第5位:相性が合わない・偉そうな態度

《不満の詳細》
税理士も人間なので、性格や価値観が合わないと感じることがあります。特に、**「上から目線で話す」「相談しにくい雰囲気を出す」「経営者の話をちゃんと聞かない」**といった態度に対して不満を持つ人が多いです。

《具体的な不満例》

  • 「こちらの意見を全然聞かず、一方的に話を進める」
  • 「質問すると『そんなことも知らないの?』という態度を取られた」
  • 「相談すると、面倒くさそうな反応をされることが多い」

《対策》
税理士選びの際に、初回面談や口コミを参考にし、自分に合うかどうかを確認することが重要です。また、気軽に相談できる税理士を選ぶことで、長期的な付き合いがしやすくなります。


まとめ

税理士に対する不満の多くは、「料金の不透明さ」「対応の遅さ」「説明のわかりにくさ」「提案不足」「相性の問題」に集約されます。こうした問題を防ぐためには、税理士を選ぶ際に事前に評判をチェックし、契約前にしっかりとヒアリングを行うことが重要です。
また、「税理士に相談する際のポイント」を押さえておくことで、不満の少ない関係を築くことができるでしょう。

●税理士の専門用語でわかりにくいものは?

税理士が使う専門用語には、一般の人にはわかりにくいものが多くあります。特に中小企業の経営者や個人事業主が混乱しやすい税務用語をいくつか紹介し、できるだけわかりやすく解説します。


1. 損金(そんきん)・益金(えききん)

《税理士の言い方》
「この経費は損金に算入できますね。」

《わかりやすく言うと》

  • 損金 = 会社の経費(税金を計算するときに控除できる費用)
  • 益金 = 会社の売上や収益(税金を計算するときに利益に含まれるもの)

《ポイント》
企業の売上から損金を引いたものが、課税対象の所得(利益)になります。


2. 繰延資産(くりのべしさん)

《税理士の言い方》
「この支出は繰延資産として処理しましょう。」

《わかりやすく言うと》

  • 一度の支払いだけど、数年にわたって分割して経費にできる費用
  • 例:開業費、広告宣伝費、大きな工事費など

《ポイント》
普通の経費は支払った年度に全額計上できますが、繰延資産は何年かに分けて計上する必要があります。


3. 減価償却(げんかしょうきゃく)

《税理士の言い方》
「この設備は減価償却資産なので、耐用年数に応じて償却しましょう。」

《わかりやすく言うと》

  • 高額なモノ(車・機械・建物など)を買ったとき、一度に経費にせず数年に分けて経費にすること
  • 例:「200万円の機械を買った → 5年間に分けて毎年40万円ずつ経費にする」

《ポイント》
会社の資産の価値は時間とともに減っていくため、その減少分を経費として計上するイメージ。


4. 青色申告(あおいろしんこく)・白色申告(しろいろしんこく)

《税理士の言い方》
「青色申告の方が65万円控除があるのでお得ですよ。」

《わかりやすく言うと》

  • 青色申告 = 節税メリットが大きいが、帳簿の記録がしっかり必要
  • 白色申告 = 簡単に申告できるが、節税メリットが少ない

《ポイント》
個人事業主は、できるだけ青色申告を選んだ方が得になることが多い。


5. 消費税の簡易課税(かんいかぜい)

《税理士の言い方》
「売上が5,000万円以下なら、簡易課税を選ぶのもアリですね。」

《わかりやすく言うと》

  • 普通の消費税の計算:売上の消費税 − 仕入れの消費税 = 支払う消費税
  • 簡易課税:売上の消費税だけで計算し、仕入れ分は考えない(計算がラク)

《ポイント》
売上5,000万円以下の事業者が選べる制度。計算はラクになるが、場合によっては普通の計算より税金が高くなることもあるので注意。


6. 交際費(こうさいひ)・福利厚生費(ふくりこうせいひ)

《税理士の言い方》
「この飲食代は交際費ではなく福利厚生費として処理できますね。」

《わかりやすく言うと》

  • 交際費 = 取引先との会食や贈り物(経費になるが制限あり)
  • 福利厚生費 = 社員向けの食事やレクリエーション(経費として有利)

《ポイント》
交際費は一定額以上になると経費にならないが、福利厚生費はほぼ全額経費にできる。税理士はできるだけ福利厚生費として処理しようとする。


7. 源泉徴収(げんせんちょうしゅう)

《税理士の言い方》
「フリーランスへの支払いは、源泉徴収が必要です。」

《わかりやすく言うと》

  • 会社や個人事業主が、報酬を払うときに先に税金を差し引いて国に納めること
  • 例:ライターやデザイナーに10万円払う → 1万円(税金)を差し引いて9万円を支払う

《ポイント》
源泉徴収された人(フリーランスなど)は確定申告で税金の精算が必要。


8. 法人税の均等割(きんとうわり)

《税理士の言い方》
「赤字でも均等割は発生します。」

《わかりやすく言うと》

  • 赤字の会社でも、最低限払わなければならない税金
  • 例:売上ゼロでも年間7万円の法人住民税が発生

《ポイント》
「赤字だから税金ゼロ!」と思っていると、均等割の支払いがあるので注意


9. 役員報酬(やくいんほうしゅう)

《税理士の言い方》
「役員報酬は毎月固定にしないといけません。」

《わかりやすく言うと》

  • 社長の給料は自由に変えられない(1年に1回しか変更できない)
  • 役員報酬を増やしたり減らしたりすると、経費にできなくなるルールがある

《ポイント》
社長の給料は1年に1回決めるルールがあるので、安易に変えないように注意。


10. 税務調査(ぜいむちょうさ)

《税理士の言い方》
「税務調査が入る可能性があるので、帳簿はしっかり保管してください。」

《わかりやすく言うと》

  • 税務署が「この会社、税金をごまかしてない?」と調査に来ること
  • 怪しい取引や経費があると、追加で税金を払わされる

《ポイント》
売上が増えてくると税務調査が入ることがあるので、しっかり帳簿を残しておくことが大切。


まとめ

税理士がよく使う専門用語は、難しい言葉に聞こえるが、シンプルに言い換えると意外と理解しやすいものが多いです。もし税理士の説明がわかりにくかったら、「もっと簡単に言うとどういうこと?」と聞くのが大事です!